本記事では機械学習(AI)向けGPUの種類を簡単に解説します。
機械学習向けのGPUはTegra,Geforce,Quadro,Teslaなどいろいろ種類があり、いざ自分が使うとなったら何を使ったらいいか分からないですよね。
仕事、自宅のパソコンでどのGPUを使用すべきか知らないとかなり悩み、本来行いたい機械学習を使ったサービスの構築や勉強に時間を使うことができません。
僕はこれまでハード系に関する知識が乏しく、「Geforce使っておけば間違いない」とかそういう情報を詳しい人から仕入れて使ってました。
そんな知識が乏しい状況ではいいサービスは作れないかなと反省し、学んでみることにしました。
本記事を読むことでGPUの種類について分かり、GPUの選択に悩む時間を減らすことができます。その結果、仕事から早く帰れたり、機械学習を用いたサービスの構築など別の有益なところに時間を使うことができます。
データサイエンス系の仕事歴約3年のシステムエンジニアが解説します!
※個人の発信になりますので、会社とは一切関係ありません。
本記事ではTegra,Geforce,Quadro,Teslaの4つのGPUの種類を解説します。
併せてTegra,Geforce,Quadro,Teslaが実際に使われている製品もそれぞれご紹介します。
まとめると以下の表のようなイメージになります。
種類 | 主な用途 | 事例 |
---|---|---|
Tegra | スマホタブレットなどのモバイル向け | Google Nexus9 |
Geforce | 高性能PC向け(ゲーム) | ノートPC デスクトップPC |
Quadro | 高性能PC、サーバ向け(CAD、動画編集) | ノートPC デスクトップPC サーバ |
Tesla | 高性能サーバ向け(データセンタなど) | サーバ |
GPUとは?
Graphics Processing Unitの略で、3Dグラフィックスを描画する際に必要な計算処理を行う半導体チップのこと。
https://www.otsuka-shokai.co.jp/words/gpu.html
一言で言うとパソコンが画像を処理する際に使う部品ですね。
画像処理は計算量が多いのが特徴です。
機械学習(AI)に代表されるディープラーニングも計算量が膨大です。
計算量が多いものが処理できるということでGPUが機械学習に使われるようになってきています。
Nvidia GPU:Tegra
Tegraはモバイル向けGPUです。スマートフォンやタブレットなんかに使われます。
TegraはよくTeslaとよく勘違いされることが多いので、何向けのGPUなのかしっかり把握しておく必要があると思います。
Tegraが使われている事例はタブレット端末のGoogle nexus9です。
モバイル向けのハード・ソフト開発を行おうとしている方はTegraをキーに調査・検討してみるとよいと思います。
Tegraに関する参考にした文献は以下です。
参考記事中にはTegraはモバイル向けGPUであるのに普通に”15年前のスーパーコンピュータを凌駕する速度”なんて書いてあるので、技術の進歩に驚かされます。
Nvidia GPU:Geforce
Geforceは高性能なPC向けのGPUです。
ノートPC、デスクトップPC、タワー型PCまで幅広く使われます。
上記のデバイスでGPU利用を検討している人はGeforceをキーに調査・検討してみると良いと思います。
Geforceの中にもRTXやGTXなどの分類がありますが、本記事は概要と事例に絞っているため割愛します。ただし、機械学習向け、特にディープラーニング向けであればRTXシリーズを選ぶのがいいと思います。
Geforceはゲーム用に使用されることが多いですが、十分機械学習の用途でも利用できます。
実際にGeforceを使ってディープラーニングを回したことがあります。
実際にGeforceが使われている製品をご紹介します。
NVIDIAの公式サイトにてラインナップとして紹介されているノートPC、デスクトップPC
以下のサイトにアクセスしタブ変更でデスクトップ、モバイルワークステーション、デスクトップワークステーションの商品が見れます。
本記事では1例としてASUSのノートパソコンをご紹介します。メモリ32GBでSSD512GBしかもGPUが搭載されて16万円代は安いと思います。
※2020/8/1時点の情報です。
※製品名がSSD512TBとかなってますが、現時点ではノートパソコンのスペックとしてはありえないので512GBの間違いかと思います。商品名以外では512GBになっているようです。
パソコン工房のミドルタワー型PC
パソコン工房では自分好みにカスタマイズしたPCを購入できます。
ですが、ディープラーニング環境向けとして既製品も売っているようです。
まさかのAmazonでも類似の商品が売ってました。笑
ミドルタワー型のPCクラスになると30万近くします。
Nvidia GPU:Quadro
ビジネス向けの高性能ワークステーションからサーバー向けのGPUです。
上記のデバイスでGPU利用を検討している人はQuadroをキーに検討してみると良いと思います。
QuadroはGeforceと非常に類似した製品のようですが、ターゲットユーザに違いがあります。
Geforceのターゲットユーザー:ゲームなどの一般コンシューマー向け
Quadroのターゲットユーザー:CAD、動画編集などのビジネス向け
となると機械学習はどっちを選ぶんだ?
機械学習向けという観点ではQuadroとGeforceどっちを選んだらいいの?
ぶっちゃけGeforceのRTXシリーズとQuadroのRTXシリーズの性能比較結果が見つけられなかったので、最適解はわかりません。
結論として、GPUの選定は予算とやりたいことの兼ね合いなので、その人、その仕事によるという漠然とした回答にしかなりません。
NVIDIAの公式サイト「幅広い製品ラインナップによる高性能 GPU の比較」では2020年8月1日時点ではノートPC、デスクトップPC向けのGPUではQuadro RTX 6000が最上位になっているようです。
Geforce RTXシリーズとQuadro P2200の性能比較についてはパソコン工房さんが「TensorFlowでディープラーニング性能をGPU別にベンチマーク比較」という記事を出してくれています。大変よくまとまっていて参考になりますが、Geforceが11個も比較対象としてあるのにQuadroの比較対象がP2200の1個だけでした。この結果ではGeforceが優位だなと思っちゃいますが、Quadroの比較対象が少なすぎて一概にGeforceが良いなんて言えないかなと思います。
QuadroP2200は「Quadro モバイル GPU 比較表 (75 KB)」を見るとわかりますが、Quadroの中でも低位モデルです。
Nvidia GPU:Quadroが使われている製品
ノートPC
HP
デスクトップPC
iiyama
マウスコンピューター
マウスコンピュータがノートPCもデスクトップPCもかなり安いのでおすすめです。
NVIDIA GPU:Tesla
Teslaはデータセンターなどに置かれる高性能サーバー向けのGPUです。
高性能サーバ向けでGPU利用を検討している人はTeslaをキーに調査・検討してみると良いと思います。
Tesla級のGPUになるとTeslaを搭載した一般向けPCの製品は見つけられませんでした。レンタルならありました。
Teslaの本体は一応Amazonで売ってました。
データセンターサーバ向け
レンタルサーバ
Nvidia製GPUの種類まとめ
Nvidia製のGPUの種類を簡単にまとめると以下の表のイメージです。
種類 | 主な用途 | 事例 |
---|---|---|
Tegra | スマホタブレットなどのモバイル向け | Google Nexus9 |
Geforce | 高性能PC向け(ゲーム) | ノートPC デスクトップPC |
Quadro | 高性能PC、サーバ向け(CAD、動画編集) | ノートPC デスクトップPC サーバ |
Tesla | 高性能サーバ向け(データセンタなど) | サーバ |
どなたかの参考になりましたら幸いです。
もしGPUにゴリゴリに詳しい人が見て違う!などの意見がありましたら、是非コメントください。
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