本記事では従業員持株会のメリットとリスクを持株会歴5年の経験から解説しています。
会社で従業員持株会って制度あるんだけど、持株会お得なの?
従業員持株会やってみたいけど、株という単語からリスクが不安で中々手を出せない。
従業員持株会に加入してるんだけど、ほったらかしでどう処理したらいいか分からない。
そんな人たちに向けて僕の5年の経験を書いています。
結論から言うと従業員持株会のメリットをかなり享受しています。
※従業員持株会は投資に該当します。投資は自己責任です。リスクを把握した上で、投資を行なって下さい。自分でやると判断し、投資で損したことを人のせいにするような人には投資はおすすめしません。
従業員持株会ってなに?
従業員持株会は所属している会社の株を従業員が割引価格や会社からの奨励金を上乗せで購入できるようにした制度です。
例えば、有名な企業の株を通常のルートで購入しようとすると10,000円だとします。
その有名な企業が従業員持株会を制度として10%奨励金上乗せで購入可能な場合は毎月1万積み立てしていると11,000円分の自社株が買えちゃいます。
こう見ると一見お得じゃん!
と思うかもしれませんが、罠があったりするので、注意です。
従業員持株会のメリット
従業員持株会のメリットをご紹介します。
- 割引価格もしくは奨励金を付加した額で株を買えるので、最初からプラススタート
- ドルコスト平均法で自社株を買えるので、概ね市場の平均価格で自社株を買える
- 仕事を頑張れば業績が上がり、株価も上がるので、少しモチベーションが上がる
- 給与天引きなので、自動で積み立てできるので、売る時だけ考えればよい、
- 単元未満株でも手数料がほぼ無料で購入できる
- 持株数に応じて配当金も出る
以下でそれぞれ説明していきます。
1.割引価格もしくは奨励金を付加した額で株を買えるので、最初からプラススタート
従業員持株会とは?で書いた通りなのですが、再度説明します。
例えば、有名な企業の株を通常のルートで購入しようとすると10,000円だとします。
その有名な企業が従業員持株会を制度として10%奨励金上乗せで購入可能な場合は毎月10,000円積み立てしていると11,000円分の自社株が買えちゃいます。
そうなると購入時点で11,000円-10,000円=1,000円プラスになります。
2.ドルコスト平均法で自社株を買えるので、概ね市場の平均価格で購入できる
ドルコスト平均法は一言で言うと毎月同じ金額購入することで株価が高値の時は購入数量が抑えられ、安値の時は購入数量が増えるので、市場の平均価格で買えるよ!ということです。
初めて見る人にとっては何か長ったらしくて難しいですよね…
例えば、毎月1万円積み立てしているとします。
今月の株価が1000円だと10株購入になります。この時の平均購入価格は1000円になります。この時点ではまだ損益は発生していません。
翌月の株価が500円になりました。そうすると20株購入することになります。この時の平均購入価格は(1,000円×10株+500円×20株)/30株=666円になります。
現在の評価額は500円×30株-平均購入価格666円×30株=-5000円です。
さらに翌月の株価が1,000円に戻りました。
そうすると10株購入することになります。
この時の平均購入価格は(1,000円×10株+500×20株+1,000×10株)/40株=750円です。
現在の評価額は1,000円×40株-平均購入価格750円×40株=40,000円-30,000円=10,000円の利益となります。
このタイミングで売れば10,000円の利益確定になります。
※手数料、税金を考慮するともっと手残りは低くなりますが、ここでは話を単純化するため手数料、税金は考慮していません。
3.仕事を頑張れば業績が上がり、株価も上がる可能性があるので、少しモチベーションが上がる
株価は会社の業績や世の中の経済状態など様々な要因によって決まります。
その一因となる会社の業績は仕事を頑張ればわずかでも業績に反映されます。
持株会に入ってる人が多ければ、業績への意識が強くなるので、会社の業績が伸びる可能性も上がるもあります。
影響としては微々たるものなので、そんなに期待はできませんが…
会社の業績も上がって株価も上がったらラッキーです。
4.給与天引きなので、自動で積み立てできるので、売り方だけ考えればよい
株って買う時も売る時も正直めちゃくちゃ難しいです。
従業員持株会以外で日本株(個別株)は2年、米国株1年(ETFなので、大したことない)の売買や高配当狙いで取引していますが、いつ買うのが正解なのか全然わかりません。
何冊か本読んでみましたが、今が最適なのか本当に読めません。
従業員持株会は給与から天引きされて一定額積み立てされるので、買うタイミングは勝手にやってくれます。
買うタイミングを選べないとも言えますが。
いつ株買ったらいいか分からないという人には助かるし、買うタイミングを考えるのも非常にコストがかかるので、僕にとってはありがたいです。
買いは自動なので、あとは売るタイミングを考えるだけです。
売るタイミングについては最後にご紹介します。
5.単元未満株でも株を手数料がほぼ無料で買える
従業員持株会は手数料がほぼ無料で単元未満でも株を買うことができます。
従業員持株会自体が年間400〜600円くらいの手数料がかかる場合があるので、ほぼ無料という表現をしています。
最近は単元未満株を安い手数料で売買できる証券会社もあります。
従業員持株会のように一つの会社だけでなく、複数の会社の単元未満株を保有することは後述する従業員持ち株会のデメリットである一つの会社への依存度を高める行為の逆となり、収入(配当や株価の値上がり)を分散することができるメリットがあります。
単元未満株を安い手数料で購入できる証券会社を2つご紹介します。
1つ目はSBIネオモバイル証券という単元未満株を、毎月220円で売買し放題のサービスです。
しかもTポイントが毎月200円もらえるので実質手数料は20円なので破格です。
2つ目はLINE証券も単元未満株が購入できます。
いつも使ってるLINEのアプリから操作できます。
しかもLINE証券は月額会費は無料です。
ただし、LINE証券は取引ごとに手数料がかかります。(※手数料は業界最安水準)
単元未満株ならLINE証券かSBIネオモバイル証券をおすすめします。
SBIネオモバイル証券の登録はこちら>>>SBIネオモバイル証券
LINE証券の登録はこちら>>>LINE証券
6.持株数に応じて配当金が出る
もちろん株を買っているので、値上がりだけでなく配当金という形で株主に還元されます。
配当金は何も労働をせずに生まれたお金なので、初めてもらった時はめっちゃ嬉しいですよ!
持株会は単元未満株でも購入が可能なので1株単位で配当金がもらえます。
従業員持株会のデメリット、リスク
ここまで従業員持株会のメリットを散々述べてきましたが、もちろん投資にはリスクがつきものです。
リスクについてもしっかり理解した上で従業員持株会に加入しましょう。
- 持株を売りたい場合、すぐに売れない
- 株式投資なので、元本割れのリスクがある。
- 給料も余剰資金も集中投資することになり、1つの会社に依存することになる
以下でそれぞれ説明します。
1.持株を売りたい場合、すぐに売れない
従業員持株会は積み立てた株が単元株(100株)になったらようやく売ることができます。
しかも、売るには持株会の窓口に引き出し申請をする必要があります。
インサイダー取引の問題等あるので、審査などがあるからか引き出し申請してから遅いと一ヶ月とか平気でかかります。
さらに、持株会と連携可能な証券口座を準備しておく必要があります。
要は100株になるまでの間〜売るまでは資金拘束が発生するということです。
例えば、1株1000円の株(100株は100,000円)を毎月10,000円積み立てた場合、約2ヶ月で100株になります。
さらに持株会の窓口に申請して一ヶ月かかると想定すると売れる状態になるまで3ヶ月かかりますね。
この資金拘束が嫌だと言う人には持株会はおすすめできません。
2.株式投資なので、元本割れのリスクがある
従業員持株会は紛れもなく株式投資です。
株式投資をする場合、必ず元本割れのリスクは伴います。
元本割れについて簡単に説明します。
例えば、1株1,000円の株を10株購入する場合、10,000円で購入することになります。
その株の株価が翌月500円になった場合、10,000円で買った株が10株×500円=5,000円になり、ここで株を売ってしまうと5000円の損失が発生します。これが元本割れです。
自分の会社はデカイからとか俺が会社にいるから大丈夫とか関係なく株価は上下します。
元本割れに耐えられないと言う人には従業員持株会はおすすめできません。
3.給料も余剰資金も集中投資することになり、より1つの会社に依存することになる
従業員持株会の最大のデメリットと言っても過言ではないです。
投資手法には分散投資と集中投資という概念があります。
集中投資:1つの株に投資資金を突っ込むやり方
分散投資:複数の株に投資資金を分散して突っ込むやり方
従業員持株会は1つの会社のみに投資する集中投資です。
しかも給与も投資対象の会社から得ているため、1つの会社に依存しまくりの状態になります。
別の会社の株を持ってたりする場合は分散はできていますが、それでも給与も得て、給与を払ってくれる会社に投資している時点で依存度はかなり高めです。
会社の状態が悪くなると最悪、株価も元本割れする上、給与にまで影響してしまうということまで想定できます。
従業員持株会をやる場合、この会社依存を如何に少なくするかがキモです。次の章で説明します。
従業員持株会のメリット、デメリットを踏まえた上での戦略
従業員持株会のメリット、デメリットを紹介してきました。
メリット・デメリットを踏まえた上での僕が行ってる戦略をご紹介します。
- 会社の奨励金の上限を超えて積み立てしない
- 単元株たまったら速攻で持株会の窓口へ引き出し申請
- 引き出し申請が承認されたら損益がプラスであることを確認する
- 証券会社の手数料以上プラスなら指値で手数料以上の利益が出るよう売る。(最悪一円でも利益が出てれば手数料分は奨励金でペイできます)
上記戦略で奨励金もいただいた上で会社の株に依存する期間を極力短くすることができています。
さらに運が良ければ利益が出ることもあります。
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